高齢化が進む日本では、介護という問題は、多くの人々にとって他人事ではなくなっている。
単純にいえば、介護は人生の最期にも直結するものであり、中途半端な対応は後々まで後悔してしまうことにも成りかねない。
また、介護というものはある日急に訪れるものでもある。
些細なきっかけで介護が始まることもあり、あらかじめ予告されていることはほぼない。
そのため、介護には備えが必要だ。備えが必要なのは、介護を受ける側だけではない。
介護を受ける被介護者の家族も、何らかの形でかかわることになるため、備えが必要だ。被介護者の家族にできる介護の備えは様々ある。
大きく分けるならば、気持ちの上での備えと制度や実利のある備えだ。
介護の備えとしてまずすべきことは、被介護者がどのような介護を望むのか希望を聞くことだ。
できることならば被介護者が望む介護をしたいというものだが、介護を受ける段階で意思疎通ができるとは限らない。
あらかじめ理想の介護とそれがどれだけ実現できるものかを話し合っていくと、納得のいく介護につながるだろう。備えておけば、いざ介護となった場合、家族の負担の分担もわかりやすくなり、不満がたまることも少ない。
また、どのような施設があるのか、どのように介護保険制度を利用できるのか、どのような支援制度があるかを調べることも重要だ。
介護が始まってからでは、施設調べも保険制度の利用もスムーズにできない可能性がある。
そして、働きながら介護するために、どのような支援制度があるかを知っておけば家族も安心して介護に取り組める。